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小規模事業者のための簿記講座【第4弾:具体例で学ぶ!勘定科目分類練習】

個人事業主にとって、日々の取引を適切な勘定科目に分類することは、経理の基本です。しかし、「これはどの勘定科目に当てはまるのか?」と迷うことも多いでしょう。本コラムでは、具体例を交えながら勘定科目の分類方法を解説します。

1. 勘定科目の重要性と分類ミスの影響

勘定科目を適切に分類することは、経営の健全性を保つために欠かせません。分類ミスが起こると、以下のような問題が発生する可能性があります。

・正しい利益が把握できない → 過剰な税負担や資金繰りの悪化につながる

・税務調査で指摘を受ける → 修正申告が必要になり、ペナルティを受ける可能性がある

・資金管理が難しくなる → 事業の健全な成長を妨げる原因になる

正しい勘定科目を選ぶことで、経営の透明性が高まり、適切な経営判断が可能になります。

2. 勘定科目クイズ!仕訳を考えてみよう

次の取引を、どのように仕訳すればよいでしょうか?

クイズ①

あなたは商品を5万円で仕入れ、現金で支払いました。

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
仕入 50,000円 現金 50,000円

クイズ②

お客様から売上10万円を現金で受け取りました。

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
現金 100,000円 売上 100,000円

クイズ③

SNS広告を3万円出稿し、銀行振込で支払いました。

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
広告宣伝費 30,000円 普通預金 30,000円

3. よくある勘定科目の間違いクイズ

次の仕訳の間違いを見つけてみましょう。

クイズ④

商品を仕入れました。正しい仕訳は?

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
誤)消耗品費 50,000円 現金 50,000円
正)仕入 50,000円 現金 50,000円

クイズ⑤

事業用のパソコン(15万円)を購入しました。正しい仕訳は?

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
誤)事業主貸 150,000円 普通預金 150,000円
正)備品 150,000円 普通預金 150,000円

※ なお、10万円以上の備品は減価償却の対象になります。

クイズ⑥

個人的な食事代(5,000円)を事業用の預金口座から支払いました。正しい処理は?

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
誤)接待交際費 5,000円 普通預金 5,000円
正)事業主貸 5,000円 普通預金 5,000円

※ 個人的な支出は経費として計上できません。

4. 実務に活かすためのポイント

勘定科目をスムーズに分類するために、以下のポイントを意識しましょう。

・クラウド会計ソフトを活用する:自動で勘定科目を分類できる機能を使うと、仕訳のミスを減らせます。

・領収書・請求書を整理する:経費の根拠となる書類を整理し、いつでも確認できるようにしておく。

・経費の種類ごとにフォルダ分けする:たとえば「交通費」「広告宣伝費」などに分けて保存すると、経理処理が楽になります。

・商工会議所に相談する:不明な点は、早めに確認すると安心です。

勘定科目を正しく使いこなせるようになると、日々の経理がスムーズになり、事業の状況も把握しやすくなります。まずは基本をしっかり押さえ、実務に役立てていきましょう

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